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日系製造工場経営事例分析レポート(1)

2011.11.11 14:17:00
 
 広東省にある来料加工工場での出来事です。
 
 工場でストライキが発生しましたが、その経緯は日系企業の、特に来料加工の今後の経営において、配慮するべき教訓となる出来事と思います。
 
 
 
 ストライキ発生の経緯は、工場では経営合理化を目指す為、間接部門の人達に対して退職金を割り増しの条件で退職者を募集しました。このことは労働組合側に事前に説明した後に社員に通告しましたが、一般社員には伝わっていませんでした。割り増しの退職金を支払うという条件を知った対象外の人達は、自分達の退職についても同じ条件にせよと要求をしてきました。その要求は認められないと通告したところ、これに反発してストライキに突入し、交渉を重ねましたが数日間工場が止まりました。
 
 工場の中で、『贅肉をとってスリムにならなければならない!』というような比喩で説得をしましたが、『私達は贅肉か!』と逆に社員の感情を煽り、又尖閣列島問題での対日感情も加わったようで、ストライキは長引きました。このストライキで部品納入も滞ったので、顧客工場はラインストップを発生させ、大きな損失を与えました。
 
 社内では解決は難しいと判断し、工場の名目経営者である中国発展公司の責任者に依頼して社員を説得してもらい、やっとストライキを解消することができましたが、その条件として合理化を推進した日本人責任者の退陣という前代未聞の条件が入っていました。
 
 これまではストライキ等の問題が起きたら、まずは首謀者を退職させて解決するという方法が一般的で、日本人が責任をとるというようなことは起きていなかったのですが、今回は社員にとってふさわしくない経営者は、ごねたら首を切ることが出来る、というこれまでに無かった出来事です。正に中国社員の勝利といえます。
 
 今回の出来事での教訓は下記の如くです。
 
1、合理化やリストラに際しての説明の際には、刺激を与えない配慮した発言をすること
 
2、一部の社員だけではなく、社員全員に対しての配慮した施策をすること
 
3、来料加工という不安定で中途半端な経営から脱すること
 
注1:独資会社でも同じようなストライキのようなことは起こる可能性はあるが、来料加工は名目としては中国側の工場であり、中国側責任者が出てきて解決する際には、日本人責任者を犠牲にする可能性を秘めている。
 
注2:この工場は、以前から中国人社員が業者と癒着しているとの風聞が流れており、合理化されるとこの利権が失われることに対する反発が内在していると思われる