今月号では、企業の皆様にご注意して頂きたい印紙税の実務問題をお届けいたします。 弊社は、お客様への財務コンサルの際、多くの企業が印紙税納付に問題を抱えていることに気付きました。そこで、皆様と情報共有するため、ぜひとも知って頂きたい代表的なポイントをまとめて整理しました。
電子方式で契約締結する場合、印紙税は必要?
過去に締結した電子方式による契約の場合は、印紙税の納付は必要ありません。 国家税務総局は、アモイ国家税務局からの印紙税に関する疑問への解答とする国税函〔1997〕505号文で、「売買経済活動にて、電話やネット上で注文し、書面証憑を発行しない場合、印紙税を徴収しない」との旨を明確に規定しました。 ただし、科学技術発展により、電子方式での契約締結は、増加の一途を辿っています。 よって、06年11月27日財税﹇2006﹈162号文で、「納税人が電子方式で締結した各納税証憑に対しては、規定に基づき印紙税を徴収する」との変更規定が出されました。 当該文書の公布後からは、電子方式での契約締結に対しても、印紙税を納付しなければなりません。
販売先だけが署名した注文書に、印紙税は必要?
国税函〔1997〕505号の規定によると、売買契約を締結していないが、注文書や積荷明細書など当事者双方の売買関係の構築、売買双方の責任を明確にする業務企業が注意すべき印紙税の実務問題証憑に対しては、印紙税を納付しなければなりません。 したがって、国内の子会社は、親会社とERPシステムで取引し、契約を別途に締結しない場合には、そのERP取引の伝票は契約書と見なされ、印紙税を納付しなければなりません。
対外締結した契約には、全て印紙税を納付する?
全ての契約書が、課税文書となる訳ではありません。前述の通り、印紙税を納付するのは、税目に該当する契約だけです。 例えば、税目によると、単なる技術サポートサービス契約だけも印紙税を納めなければなりませんが、 財務または法律相談のサービス契約は、印紙税を納める必要がありません。(国税﹇1989﹈34号文には、当処方4該項目に対し、明確な規定がありますが、多くの会計士事務所は、この規定を誤解しているようです。というわけで、取引先との財務または法律相談のサービス契約に対しても、印紙税の納付を要求しています) その他の契約(例えば、人身保険契約、電力供給契約など)は、すべて印紙税納付の必要はありません。企業は、印紙税の過誤納または納付漏れを避けるため、日常チェック用の契約リストを作成し、事前に印紙税の納付および適用税率を明確にしておくと良いでしょう。 次月号では、印紙税の実務問題の続きと小さな税金が引起す税務リスクについてお届けします。