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最終章 華南マンスリー4月号 日系製造工場の現地社長について

2018-03-02
 数か月前に広州の企業を訪問した際、ある工場でこのようなトラブルがありました。加工貿易手冊のバランスが合わず、実物在庫と手冊上の在庫が大きく離れていたため、税関より監査を受け、刑事責任を追及される代わりに巨額の罰金と税金が課されました。その金額は、工場を創業してから約7年間の利益がゼロになってしまうほどでした。 この工場の日本本社がこのトラブルに対して行なった処理は、私の経験からすると、非常に乱暴でした。総経理から担当部長、通関士まで、すべて辞めさせてしまったのです。 このような会社だからこそトラブルが出るもので、処分を恐れ、トラブルがばれないように事実を隠すサラリーマン社長(雇われ社長)が出てきてしまいます。
 
 
中国工場経営の苦労
 
 中国で工場の経営に一番苦労しているのは、各地域の政策実施のバラツキです。同じ地域にいても、有名企業や大手企業と中小企業に対する税関、税務局、労働局の取り扱い方が違います。
また地域が違うと、同じグループ企業でも各地域の政府の対応は変わります。 例えば深圳や東莞の税関なら、手冊の申請段階から手冊の運営段階まで細かく管理されています。常にレポートを提出させたり、社長に説明を求めます。しかし、広州のように会社が倒産するほどの罰金などは課しません。広州の税関は対応が甘いと感じています。 私が訪問した企業の社長は、中国に3年いたにもかかわらず、自社工場が国内販売と加工貿易の両方を行なっていることも知りませんでした。これも、広州税関が企業に対する管理方法に関係があると思います。
 
三代目現地社長の悲劇
 
 前述した工場の社長は、工場創設から三代目にあたりました。一代目の社長は、わずかな税金、すなわち手冊を核銷する際の廃材についての税金を節約するために、通関士に「何とかするように」と指示を出しました。通関士は何のリスク説明もせずに(これも中国に数多い通関士のタイプです)指示に従い、損耗率を小さくして申告しました。 税関の監査は7年間なく、一代目の社長は無事に卒業、二代目も税関監査なしで帰国して、三代目が就任しました。その後、設立して初めての監査を受け、何も分からないまま、本社から首にされたのです。 社長本人も悲惨ですが、一番悲惨なのは、首にする命令を出した本社、もしくは本社の偉い人が、問題の根本をわかっていないことかもしれません。しかし実際のところ、このような会社は多く見受けられます。
 
 
現地社長の支援には
 
 このような問題が起こらないないよう、現地の状況をしっかりと把握するために、本社は現地社長を応援する姿勢を持つべきです。人事命令を出した以上、現場にいる指揮者を信用するのが基本です。中国の古い言葉に「将在外、君命有所不受」、すなわち「前線の将軍は、皇帝の命令を受けない」があります。 現地社長も前線の将軍のような立場です。お互いの信頼により、本社の監督と現地の管理業務の両方が実現できるようになるのです。今一度、この関係性について考えてみてください。 さて、私のコラムも今回が最終回です。これまでありがとうございました。
 
 
 
 1年に渡りご愛読いただきましたトラブル事例から学ぶ 趙彩虹の事件簿、今月で連載終了となります。様々な事例を基に皆様に工場経営・中国での経営の難しさを少しでもお伝えできたら幸いです。