税関価格評価の流れ及び対応(パート1)
一般貿易通関する際の税関価格評価問題は、ずっと企業を悩ませている難題です。
材料及び設備を一般貿易輸入通関する際の価格を税関に質疑され、企業が有力な説明資料を提供できない場合、税関は企業側に大幅な課税価格調整を要求します。もし企業が税関の要求の通り、高い価格で申告する場合、企業は高額の税金を損失することになります。ただ、もし企業が税関の輸入貨物に対する価格評価を受け入れない場合、長い価格協議交渉を行う必要が出てきます。その一方で港に押収された貨物は追加費用が発生、さらに、最も重要なのは輸入する材料及び設備が直ちに工場に到着せず、正常な生産に深刻な影響を与えることにより、企業全体が大きな損失を被ることになってしまいます。
税関価格評価の流れ及び方法
中国の税関が現在実行しているのは、2006年に発布した税関総署令第148号「中華人民共和国海関審定進出口貨物完税価格辦法」です。この規則は税関が価格評価に対する流れ及び方法を規定したものです。
中国はWTO加盟国のため、税関の価格評価の基本原則は「WTO価格評価協定」を満たし、実際取引価格を基本とします。即ち課税価格は取引双方の実際成約価格に中国の港に到着した運送保険費等を加えたものとなります。もし実際成約価格が真実であれば、取引手数料あるいは特許権の使用費用等手段を利用せずに、わざと取引価格を低く下げなければ、一般的に税関は企業の申告価格を受け入れます。
税関は、企業の申告価格の真実性や正確性に問題がある、或いは取引双方の特殊関係が成約価格に影響しているとした場合には、価格質問を行い、且つ「価格質疑通知書」を発行します。それに対し、企業は5日以内に返事し、且つ税関に要求される価格を証明する資料を提供する必要があります。もし企業が提供した資料が価格の真実正確性を説明できない場合、価格協議を行って、最終的課税価格を確定します。通常では、価格確定する方法は左記5種類です。
(1)同様貨物成約価格(2)類似貨物成約価格(3)輸入後国内販売価格の逆算価格に基づく(4)製造会社のコスト利益に基づいて価格を計算(5)その他の合理的な方法
実務に際しては、価格協議の時間が長いことにより貨物が予定通りに輸入できない、且つ税関に要求される多くの資料は企業秘密の原因で提供出来ない、ということから、多くの場合、企業が税関に質疑される時に税関の価格評価を選択してしまうと、結果的に高額な税金を徴収されることになります。
もし企業が税関の価格評価の流れと方法を十分に理解し、価格質疑が起こる原因を知ることができれば、大きな問題になる前に早めに予防することができ、たとえ価格質疑になっても、事前準備が可能になり、順調に対応することが出来ます。