■現状では、珠江デルタ地域にある来料加工廠は強制的に一般納税人に認定されています。今回は一般納税人についてよくある質問をまとめてみました。
Q1 来料加工廠はどのような場合、増値税を納付する義務がありますか?
A1 現行の税法では、来料加工廠が委託加工より得た加工費収入については、増値税が免除されます。しかし来料加工廠が生産時に生じたスクラップを売却する場合、増値税が徴収されます。来料加工廠が国内販売権を取得し国内販売或いは加工業務を提供する場合、増値税が徴収されます。(備考 ほとんどの地域においては、来料加工廠は国内販売を認められません。)
Q2 どのような条件を満たすと来料加工廠が強制的に一般納税人に認定されますか?
A2 税法により増値税対象になる年間売上高が100万元以上の生産企業は一般納税人に認定されます。来料加工廠は100万元以上の売上がある場合が多く、よって、年間加工費収入にスクラップの売上収入(課税対象)を加算して、年間で100万元を上回れば、強制的に一般納税人に認定されることになります。
Q3 一般納税人に認定されたら、増値税の税率はいくらですか?
A3 来料加工廠は工業企業として、一般的に17%の増値税税率が適用されます。
Q4 一般納税人に認定されたら、国内調達品と水道・電気代にかかる仕入増値税が控除できますか?
A4 来料加工廠は保税取り扱い品の来料加工を行っているので、加工費収入は増値税の免税対象になります。
『増値税暫行条例』により、免税プロジェクトにおける調達品或いは課税労務より生じた仕入増値税は売上増値税と相殺できません。よって、来料加工に従事する来料加工廠においては、国内調達品と水道・電気代の仕入増値税は控除できません。国内販売に従事する来料加工廠の場合、内販時に生じた仕入増値税は控除できますが、来料加工業務に関連して生じた仕入増値税は控除できません。
Q5 スクラップの販売により生じた仕入増値税は売上より生じた売上増値税と相殺できますか?
A5 一般納税人に認定されると、税関でスクラップに課税されることにより生じた仕入増値税を、売上より生じた売上増値税と相殺できるようになります。但し、地域によっては税務署の認識にばらつきがある可能性があり、相殺してくれない恐れがあるため、税務署との事前交渉をお勧めいたします。
Q6 来料加工廠が一般納税人強制認定の通知書を受け取った場合に認定手続きをしないことが可能ですか?
A6 一般納税人の強制認定は、税務局が法に基づき執行するため強制力があります。企業が規定期間内に手続きしなくても、税務署は17%の税金を徴収し、なおかつ本来相殺できる仕入増値税を相殺させない可能性があります。
Q7 来料加工廠に一般納税人の認定を与えることは国内販売の権限を与えることとイコールですか?
A7 国内販売の権限は外経部門より与えられるものであり、一般納税人の強制認定によって国内販売の権限を与えられるというわけではありません。
Q8 一般納税人に認定されたら、来料加工廠における税金負担は増加するのでしょうか。
A8 現状ほとんどの来料加工廠がスクラップに課税処理されないにもかかわらず、売上にも税金を納付していませんが、この場合一般納税人に認定されたら、税金負担が増えます。管轄税務署がスクラップにおける増値税の相殺を承認しない場合、来料加工廠が多大な損失をこうむる可能性があるといえます。
Q9 来料加工廠における増値税政策には、最近新しい動きがありますか?
A9 私どもが入手した情報では、来料加工廠における加工費の免税政策について以下2つの調整案が検討されています。今後の動きにご注意下さい。
ア.加工費収入に対して直接に増値税を徴収。税率は一般納税人は17%、小規模納税人は6%。
イ.来料加工廠に対して、進料加工企業と同じように『免除・控除・還付』措置を適用。つまり、輸出入の差額に対し、「還付不可率」で増値税を徴収。