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Whenever広東8月号 貨物取引に関する外貨決済制度の重大な変化

2018-02-27
このたび国家外貨管理局、税関総署と国家税務総局が公布した2012年【1号通達】は、「入金決済書」を実質的に廃止し、外貨決済手続きの簡素化と人民元国際化をはかったもので、2012年8月1日より施行されます。「入金決済書」は1991年から長きにわたって、外貨決済、通関輸出、増値税輸出還付手続に必要とされてきた書類です。同書類の廃止は中国外貨管理制度の新時代を切り開き、人民元の国際化を促進する重要なステップとなります。今後、外貨決済手続きは以下の点が変更されます。
 
 
 
重要変更点
 
  これまで貿易与信管理システム、オンライン審査システムなど複数の外貨決済管理モジュールがあったが、変更後は「貨物取引外貨決済監督システム」で管理が一本化される。これまで申請書類と業務処理を重点とする管理(有形管理)であったが、変更後はバックグラウンド監督を重点とする管理(無形管理)となる。これまで決済時に関係書類の提出だけでなく、外貨決済システム各モジュールで決済処理も必要だったが、変更後は上記の処理が全て必要なくなり、直接銀行で取り扱うこととなる。
 
変更後の注意点
 
 新しい外貨決済制度で注意すべきことは、輸出入通関実績と外貨の受け払いのズレを見落としがちになることです。従来の外貨決済方法では、会社が手元に残っている関係書類(通関単、外貨決済単)の合計金額と帳簿上の売掛金・買掛金残高を照合することで、ズレを発見できます。例えば、単純な輸入申告価格で間違いがあった場合でも、輸入通関実績と買掛金入金の照合作業を実施したら、簡単に確認できました。 ただし、変更後は手続きが簡略化される代りに、ズレがあっても銀行へと入金ができてしまいます。そして差異が一定の規模で積み重ならないと、「貨物取引外貨決済監督システム」で異常警告が出ないため、会社は小さいズレをタイムリーに発見できないことになりがちです。 気づかないうちにズレがどんどん膨らんでゆけば、外貨管理局に重点監督されたり、立会検査されるなど、いきなり罰金やランク引き下げなど課されてしまう可能性もあります。 当社では新政策の施行が決定されてから、日系企業は外貨決済リスクを回避するためにも、外貨決済管理をこれまでから一層強化するよう提案しています。