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Whenever広東10月号 コミュニケーション不足で発生するトラブル

2018-02-27
 早いもので今年も10月になりました。4月に駐在された方はあっという間の半年ではなかったでしょうか?半年も中国でのお仕事をされると、どうしてこんなミスが起きてしまうのだろう?と思わず首をかしげたくなる問題に遭遇していると思います。今回はコミュニケーション不足から発生する税関業務の問題を検証してみます。
 
実は多い初歩的なミス
当社のほとんどのお客様が輸出入業務をされていますが、コミュニケーション不足が原因で引き起こされる問題を非常に多く見受けます。例を挙げてみると、①インボイス価格と輸出入申請価格にズレがあり、外貨の消し込みができなくなってしまった、②単損耗率の申請が間違っていた、③材料輸入枠の不足で材料Aを材料Bの枠で輸入した。①、②とも税関の手冊バランスに不整合がおきてしまい、③は重大な違法行為である密輸になってしまいます。そして、このような問題が発生する原因は往々にして以下の様なものなのです。
①    生産管理課が一旦発行したインボイスの価格に修正があったにも関わらず、通関課および財務課に連絡を怠った。②    製品設計に変更があったにも関わらず、技術課が通関課に連絡を怠った。③    生産計画課または資材課が、通関課に在庫管理表を随時連絡していなかったため、通関課は輸入枠の追加申請を行なっていなかった。
 
横の連携不足が原因
各企業の通関士、財務担当者、生産管理、資材担当の方はそれぞれ個々の業務について専門知識をお持ちですが、それぞれの部署間がコミュニケーションを取れていなかったり、業務フローが構築されていないために連携が上手くいかず、この様な初歩的なミスが発生してしまいます。また、業務フローがある企業でも、フロー通り実施されているかをチェックする機能がないために、フロー通りに行われていないことも多々見受けられます。日系企業に多い傾向は、通関業務だけフローが単独で作成され、孤立している状況です。
企業としてはこのような初歩的で些細なミスの積み重ねが、大きなリスクになっていくので、再度各部署間のコミュニケーションの取り方やフローを確認して下さい。税関の監査が来た時に、指摘された問題の原因が単なるコミュニケーション不足でした、なんてことにならないように!