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Whenever広東4月号 労働紛争発生しやすい原因について

2018-02-27
労働争議は企業としては、発生させたくない問題です。発生してしまうと、従業員全体にも影響を与えますし、企業も対応のために貴重な時間を費やさなければなりません。一旦敗訴すれば、予算外の費用が発生してしまいます。
 
 労働争議の発生する主な原因は、1.企業が労働法に違反した 2.企業、従業員の双方の法律規定の理解不足または理解の間違い 3.規律違反をした従業員に対する処理方法 4.労働者が契約に違反した5.企業の合弁、移転、閉鎖が挙げられます。
 企業の労働契約書、就業規則、賞罰規定、その他規定が現状に合っていなかったり、法律が改定された時に修正されていなかったりするため、企業側が労働法を違反し労働争議に発展してしまいます。これは企業が法律に詳しくなかったため、大丈夫だと思った行為が実際は違法であったというケースです。
 またプロセスや証拠取得の意識も薄く、規律違反をした従業員の処理方法では、警告書を発行するというプロセスや十分な証拠もないまま突然労働契約を解除するケースも比較的多く発生しています。
 
 労働争議の予防策としては、まず労働契約書、就業規則やその他の規定に法律上問題があるかを専門家に確認を依頼し、問題があるのではあればすぐに修正しなければなりません。よく見受けられる就業規定に1.退職する従業員が引き継ぎをきっちり行わなかった場合、会社は給与を差し引く 2.無断欠勤を1日した場合、2日分の給与を差し引く 3.会社が人事異動を命じた場合に従業員は拒否することは出来ないがありますが、これはすべて違法行為にあたります。
  
 もし労働争議に発展してしまった場合は、企業はまずどの法律法規に接触して訴えられたのかを把握し、企業側が有利なのか不利なのかを見極めて下さい。
 また、訴えた従業員の性格や家庭状況(社内に家族、親戚がいるのか?)、相手の法律知識の状況を把握し、対応方法を検討して下さい。
  
 法定で争うことは避け、労働仲裁委員会での協議による解決が望ましいですが、企業に落ち度がない場合は、最後まで闘う姿勢を見せて下さい。協議による解決で相手の要求を簡単に受け入れてしまう(前例を作ってしまう)と他の従業員に良くない影響を与え、労働争議の起きやすい環境となってしまいます。